油山市民の森からのお知らせ
2021/02/12
きのこ豆知識
マツカサキノコモドキ(松笠茸擬)
■時期
秋の終わりから冬にかけて(福岡県では11月ごろから3月ごろまで観察することができます)
■生える環境
アカマツ、クロマツの樹下。地中に埋まった松かさ、まれに地表すれすれに出ている松かさから発生します。

■特徴
傘の大きさは、1.5センチから3センチほどで、表面は黒褐色色をしています。ただ、幼菌時は白色をしていて、成長するにしたがって傘の色は濃ゆくなります。また、湿度の多い場所では傘の色が淡色になるものもいます。

↑左は松葉にうもれていた個体。右は地表に顔を出していた個体。(ちなみに、2本とも同じ松かさから出ています。)

松かさの断面を割ってみると、中心部分に菌糸の塊がありました。



柄はヒダとの境目付近は白色で、途中から黄土色。グラデーションをまとって根元は、地中深くに埋まっている松かさへと続いています。


■ややこしい名前
名前だけでいうと、よく似たものがいくつか知られています。
・マツカサキノコ
「トウヒ属球果」にのみ生えます。
・ニセマツカサシメジ
「マツ属球果」に生えます。

・リュウキュウマツカサキノコ
「リュウキュウマツの球果」に生えてくるようです。

(写真提供ありがとうございます。小松氏提供)
・マツカサタケ
「アカマツ・クロマツの球果」に生えます。(写真をクリックすると記事を見ることができます。)

■参考
「山溪カラー名鑑 増補改訂新版 日本のきのこ」(山と渓谷社)
製作協力/DogaLABO