油山市民の森からのお知らせ

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2021/01/29 きのこ豆知識
タンポタケ(春型)


■時期
東日本は夏から秋、西日本は冬から春に発生。地域ごとに発生時期には違いがあり、福岡県では12月から3月までの発生が多いです。
※タンポタケ「春型」と「秋型」については別種の可能性が高く、「秋型タンポタケ」が本当のタンポタケのようです。ただし、このブログでは以前の情報を参考に「タンポタケ春型」として掲載していきます。
↑タンポタケ(春型)こちらは、3月頃に撮影したものです。
↑タンポタケ(秋型)こちらが本当の「タンポタケ」と言われています。9月頃撮影したものです。
■生える環境
ツチダンゴ類が生息するシイ・カシ・コナラ・ミズナラ・ブナ・アカマツなどに発生します。山地のみならず、市街地の神社や公園でも見られることがあります。
■特徴
地生型。子実体はタンポ型、宿主から直生、1から3本生じ、地上部の長さは通常2センチから7センチ。柄は円柱状で黄褐色、太さは4ミリから8ミリ、ややもろい肉質。結実部は先端に形成され球形から偏球形、太さは0.5センチから2センチ。幼菌時は黄橙色から灰緑色、成熟するにつれて褐色から暗褐色、またはほとんど黒色になり、柄との境目は明瞭。子嚢殻は埋生型、孔口が微細な点状になる。

↑地上に出ている姿はこんな感じですが、落ち葉を取り除いてみると…

↑周りには、感染しているツチダンゴがゴロゴロでてきました。
タンポタケ類は成熟すると全体が黒っぽくなってきます。
頭部に付着している白い点々のようなものは、胞子です。これから風に乗って遠くへととびだっていきます。

タンポタケの各部名称

きのこを二つに切ってみると、よりきのこの特徴が分かりやすくなります。
例えば、タンポタケ(春型)は肉質が白っぽいですがよく似ているヌメリタンポタケでは断面の肉質は黄色です
タンポタケ類は、結実部より胞子を出していきます。結実部はひとつひとつが袋のような形になっていて(子嚢殻(しのうかく))、その中にたくさんの胞子が入っています。

■タンポタケの仲間たち
「タンポタケ」といってもさまざまな種類がこれまで見つかっています。今回は福岡県内でよくみられるタンポタケ類について紹介します。

■タンポタケ類はそっくりさんだらけ

以前経験した出来事です…。この日はきのこ探し日和。迷うことなく山へと出かけに行きました。3月の気候は寒さも少し和らいでいて、森の中の散策でもカイロがなくてもへっちゃらでした。森に入って数分の事、大きなスダジイの周りを細かく見ていると、タンポタケ(春型)の姿がありました。今年も見られたことに喜び、丁寧に落ち葉をめくってみると今見えているタンポタケ類よりもはるかに小さなきのこが出ていました。この時、私は「タンポタケの幼菌だろう」と勝手に決めつけていました。その後普通に山に登り山頂についた時、どうしてもこの「幼菌」が頭から離れず、登っても降りても止まっていても…そんなことばかりを考えていました。気が付けば元居た場所に戻ってきてしまい、この日同じ光景を2度見ることになったのです。

小さな「幼菌」を育て始めて約1か月後、胞子が出るまでに成長をしました。そこで胞子を見てみると…驚くべきことに「エゾタンポタケ」という別種のきのこであることが判明したのです。
つまり、この場にいたきのこの中に別種が混ざっていたことになります。
タンポタケ類は、見かけでの判断が難しい種類でもあり、もしかするとこれまでも多くの「未知のタンポタケ類」を見逃していた可能性があります。この出会いは、私の「きのこに対する考え方を変えてくれた」きっかけでもあり、大変勉強になりました。

■参考
「山溪カラー名鑑 増補改訂新版 日本のきのこ」(山と渓谷社)
「冬虫夏草図鑑」(清水大典 著)
「冬虫夏草生態図鑑」(日本冬虫夏草の会 編著)
製作協力/DogaLABO
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