油山市民の森からのお知らせ

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2021/05/14 きのこ豆知識
キツネノワン(狐椀)


■生える時期
春(3月下旬から5月上旬)
■生える環境
マグワやヤマグワの木の下にしか生えません。養蚕業が少なったためあまり見られなくなったきのことしても知られています。クワの花が咲く時期だけにしかみられないきのこです。

■特徴
きのこの形はお茶碗型。大きさは1センチで、大きいものでは2センチくらいに成長します。

地面から出ているきのこですが、地中には黒くなったクワの実(菌核)が埋まっています。

↓菌核は固くやや弾力があります(湿時)乾燥すると石ころのように硬くなります。

クワの雌花に感染をし、熟すはずの実を白化させて地面に落ちてしまいます。地面に落ちた果実は黒く菌核化し冬を越して翌年の春に発生をします。
■もう一つの『キツネ』
今回は桑の木の下に生える「キツネノワン」を紹介しました。でも、桑の木の下から生えるきのこはもう1種類あるのです。その名も「キツネノヤリタケ」といいます。両種は同じ時期に同じ場所で観察できるきのこなのです。(★写真をクリックするとキツネノヤリタケのページに移るよ★)

■同じグループに属するきのこ(キンカクキン科のきのこたち)
・ツバキキンカクチャワンタケ(椿菌核茶碗茸)★写真をクリックするとページが見れるよ★
こちらは、冬から春にかけてみることができるきのこです。ツバキやサザンカの花を栄養として菌核を作り、翌年の春にお茶碗型のきのこをつくります。

その他には…
・ハンノキの花(尾状花序)を菌核化させる「Ciboria amentacea キボリニア アメンタケア
・モミ・トウヒなどのまつぼっくり(球果鱗片)を菌核化させる「マツカサチャワンタケ
・モクレンやハクモクレン、コブシなどの花弁や葉柄などを菌核化させる「Ciborinia gracilipes キボリニア グラキリペス
・キクザキイチリンソウなどのイチリンソウ属の根元に発生する「アネモネキンカクチャワタケ
などが知られています。
■『クワ』の木【余談】蚕を育ててみた
カイコガについて
人間によって飼育される家畜の蛾で、野生環境では生きることができません。
元は中国に生息しているクワコと言われており、数千年前(約5000年から6000年前)から家畜化していき品種改良の結果現在のカイコになったとされています。日本に養蚕技術が伝わったのは約200年前、稲作と一緒に中国からの移住者が伝えたと言われています。絹織物は当時、皇帝や国王などの権力者への献上品や、友好国への贈り物として用いられました。世界中の人々を魅了し、ペルシャや古代ローマの商人は海、山、砂漠などを越え、危険な目に遭あいながらも絹織物を求めて中国までやってきました。交易路として彼らが通った道は、「シルクロード(絹の道)」として現在も知られています。

↑マグワの葉をおいしそうに食べるカイコガの幼虫
幼虫の期間は一ヶ月弱(約二十五日間)で、脱皮は四回行います。

↑カイコの繭
五齢幼虫が少し黄色みを帯びてくると、と途端にクワの葉を食べなくなり繭を作れそうな場所を探し始め、じきに細い糸を吐き出して繭作りを始めます。

↑蛹になってから十日から二週間くらいで羽化をします。羽化は朝に多く、繭の先端を溶かしながら、穴を開けて成虫がでてきました。

★次週は、キツネノヤリタケを紹介します★

■参考
・山渓ハンディ図鑑3樹に咲く花(離弁花) 石井英美・崎尾均・吉山寛/解説
・カイコからのおくりもの 大日本蚕糸会より
・カイコってすごい虫! 農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究推進室作成・発行
・北陸きのこ図鑑 池田良幸著・本郷次雄監
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