油山市民の森からのお知らせ
2020/06/27
きのこ豆知識
ツノマタタケ(角又茸)
■生える時期
梅雨時期から初冬にかけて(福岡県内では、5月から12月に見ることができます。)
※雨が降らないとなかなか姿をあらわしませんが…
■生える環境
主にマツやスギなどの針葉樹に多く見られますが、まれに広葉樹に生えることもあるようです。意外と、公園に設置されているベンチや板看板などにも生えることがあります。(木材腐生菌)

■特徴
ツノマタタケの子実体はヘラ状、扇状、ツノマタ(海藻)状で通常長さは1センチから1.5センチほど。湿度があるときには、やや硬い膠質でやや粘性があります。新鮮な時には橙色ですが乾燥すると先端は濃ゆい赤色になるものの次第に黒っぽくなって枯れていきます。

■キクラゲ類について
キクラゲ類は花弁状からクッション状、ヘラ型など形は様々で、普通ゼラチン状や蝋質で膨れていますが、乾燥すると膠質になったり軟骨質になったりするきのこの一群です。この仲間は、ほとんどの種類がゼラチン質やゼリーのようにやわらかな膠質(こうしつ)であることから「膠質菌類(こうしつきんるい)」ともいわれています。
一般的には、シロキクラゲ目・キクラゲ目・アカキクラゲ目の3グループに分かれます。

■英語名
英語名では「jelly fungi」とよばれています。
■中国名
中国語では見た目が似ていることから「モクセイの耳」という意味の「桂花耳」と呼ばれています。
■名前の由来
スギノリ科ツノマタ属の海藻に似ていることからこの名前がついたそうです。
■さいごに
私が油山で仕事を始めた時にすぐに見つかったきのこがツノマタタケでした。しかもその発生場所が木製の飛行機というとても面白い場所にはえていました。思い込みというのは、本当の事実を見逃している可能性があるかもしれないなぁ。と、考え直すきっかけを与えてくれたきのこでした。
■参考
週間朝日百科 キノコの世界 菌界4(朝日新聞社)
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
製作協力/DogaLABO