油山市民の森からのお知らせ

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2022/07/29 きのこ豆知識
コマタケ(独楽茸)


■時期
初夏から秋に成長をする菌です。きのこ自体は古くなっても1年中形が残っていることがあります。
■生える環境
広葉樹林内、九州ではシイやカシの根元や、地中に埋まった枯れ枝から発生します。特に立ち枯れしている木の根元付近でよく観察されます。
書籍によると発生は稀とされていますが、九州ではごく普通にみられる熱帯性のきのこです。

■分布
アジア熱帯地方、沖縄、九州、四国
■特徴

傘の表面は、茶色と黒の渦をまいたような模様でなかなか地味です。
ルーペで細かく観察をしてみると、傘の表面はなめらかで、柄はちょう微小の毛でおおわれており非常に硬いです。柄は地中深くまでつながっていることが多いためわりと頑丈です。

まれに、傘の色が青色が強いタイプも発生します。
↑幼菌の時は全体的に白っぽい色をしています。大きくなると茶色の年輪模様になってきます。
↑成長中の個体は、縁が白っぽくなっています。

↑成菌の時は、傘の色が茶色を帯びていますが、古くなってくるとだんだんと黒っぽい色へと変化していきます。

↑若い個体の場合、傘に水たまりができることもあります。古い個体では、虫食いが目立ってくるので傘の上に水はたまらないようです。
↑老菌には成菌のように傘表面の光沢はなくさばさばしているような感じです。
↑この個体は昨年発生した個体です。きのこ自体は一年を通してその形が残っていることが多いですが指で押すと折れてしまうくらいもろくなっています。
↑コマタケの柄は細く丈夫です。

↑裏側は小さな穴が密集した管孔(かんこう)状になっていて、傷つけたり触ったりすると瞬時に赤色に変わります。

傷は時間が経つと黒くなってしまいます。このように血のような赤色に変色し、後に黒変する様子を例えて「シュッケツマンネンタケ(出血万年茸)」という別名もついています。
↑管孔は小さいです。
↑柄はしっかりとしていて、細かいビロード状になっています。
■名前の由来
傘の中心から細い柄がでる姿を、回して遊ぶ「こま」を例えてこの名前がつきました。
(写真は、油山自然観察センターで見つけた手作りコマ)

■幸茸(サイワイダケ)
宮崎県総合博物館では西南戦争ではコマタケをお守りと使用していた記録が残っているそうです。ちなみに宮崎県内では、マンネンタケなどが「サイワタケ(幸茸)」と呼ばれていて縁起物にされていますが、コマタケもマンネンタケろ形が似ているし、形も小柄なものも多く傘も薄いし、意外と身近な場所で見ることが出来るからなのか、マンネンタケの代用にしていたのだろうか?(お守りはきのこちゃんによるイメージ再現です)

■さいごに
いつも見慣れたコマタケは、素通りされて見向きもされませんでした。歴史を知ることや色違いを見つけること、面白い特徴を知れば知るほど、コマタケをじろじろ観察してみたり、手にふれる時間が増えたり…コマタケについて向き合う時間が増えたと思います。
この「きのこ図鑑」をきっかけにいろんな新発見をさせてもらいました。まだまだ、見過している部分はたくさんありますが、これからもたくさんのきのこを見ていきたいです。
■参考
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
原色日本新菌類図鑑(2)(保育社 今関六也・本郷次雄 編著)
新装版YAMA-KEI FIELD BOOKS7きのこ(本郷次雄・上田俊穂 著)
宮崎のきのこ(みやざき文庫 黒木秀一 著)
製作協力/DogaLABO
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