油山市民の森からのお知らせ

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2020/08/30 きのこ豆知識
いろんな“菌類”(番外編)


きのこちゃんのきのこ図鑑は早くも20回目を迎えることが出来ました。今回の内容は、以前ブログに書いた「きのこの役割」のおさらいアニメーションでしたがいかがだったでしょうか?
では、おさらいを兼ねて、今回は幅広く視野を広げ…自然界に住んでいるいろんな“菌類”についてみていきたいと思います。

■菌類ってどんな生きもの?
まず、「菌類」という生きものは、「動物」でも「植物」でもないきのこ、かび、酵母などを含んだ生物群です。これまで記録されている菌類は約10万種ですが、推定では約150万種存在するのではないかと考えられています。菌類は陸上、水中などあらゆる環境に生育しており他の生きものを分解したり、他の生きものと共生したり、寄生したり…と自然界において重要な働きをしています。

「菌類」と聞くと、小さなカビを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、私たちが普段食べているきのこもカビの仲間なのです。菌類の中でも肉眼で確認できるくらいの大型のものを「きのこ」、小さくてこなこなしているようなものを「かび」と呼んでいます。
菌類を細かくみてみると、「担子菌類」「子嚢菌類」「接合菌類」「グロムス類」などなど…さまざまなグループに所属しています。今回はそんな菌類たちについて簡単に紹介をしていきます。

■絵で見るグループ分け
さて、菌類たちの紹介をする前に…
今回も絵を描いてきました!この絵では、「担子菌類」「子嚢菌類」の二つのグループに分けて絵を描いています。さて、どれが担子菌類で子嚢菌類なのか、わかるでしょうか?

正解は…ブログの中盤に出てきます。

■担子菌類(たんしきんるい)
担子菌類は担子器(たんしき)と呼ばれる構造の外側に胞子をつくる菌類で、3万種以上が知られています。このグループには、子実体をつくる仲間(きのこ)とつくらない仲間(さび菌類・くろぼ菌類)があります。また、私達がよく見たり、食べたりしているきのこ、例えばシイタケ・エリンギ・エノキタケなどはこのグループです。

■子嚢菌類(しのうきんるい)
子嚢菌類は子嚢と呼ばれる袋状の構造の内部に胞子をつくる菌類で、約6万種以上が知られています。この仲間には子実体をつくる仲間(きのこ)とつくらない仲間(カビや酵母など)があります。ちなみに、高級食材のトリュフやきのこ界では人気の高いアミガサタケなどは、このグループに入ります。

では、話を戻して…
先ほどの絵の答えをかいていきます。
実は、よーく見てみると細い菌糸で境界線をかいていましたが気が付いていたでしょうか?


「担子菌類」は、きのこ形をはじめ、袋のような形や、サンゴ状までさまざまあります。
「子嚢菌類」は、お茶碗型や棒状、何かに寄生しているものなどさまざまあります。
はじめは、各グループの見分け方は苦労すると思いますが、大まかでも形を知っておくと後ほど調べるやすくなるかもしれません…(個人的感想です…)
■接合菌類(せつごうきんるい)
動物の糞や植物などに生えるとても小さな菌類です。接合菌門の仲間には、昆虫やそのほかの節足動物に寄生するものもいます。例えば、主にハエ類に寄生するハエカビ属菌は、はじめ体の節々から蝋細工のような透明な菌糸が出てきたと思ったら、終いには体中を覆いつくし、宿主の形が判別できないほど菌糸や胞子でいっぱいになることがあります。

■グロムス菌類
グロムス菌は草木の根と共生しアーバスキュラー菌根をつくるため、農業への応用研究が進んでいます。この種類のいくつかは、胞子が集まって肉眼でもわかるくらいの子実体を作ります。注意深く探すと、見つかるかもしれません。

■きのこトピックス
ムネアカセンチコガネとグロムス属の関係
食糞性コガネムシに分類されるムネアカセンチコガネは、アーバスキュラー菌根菌(AM 菌)の胞子果を好んで食べることが,腸内容物の解析や採餌行動の観察などから明らかとなり、野外観察にて、両種ともに AM 菌胞子果を掘り出して運搬し、新たに土中に掘った坑道内に持ち込んで食すといういままで知られていない行動が観察されたそうです。

油山でもムネアカセンチコガネの確認がされたこともあり、油山の森の中で探してみると、グロムス菌もいくつか発見することが出来ました。これからも出会えることを願いつつ菌類についての勉強を頑張ります。
■参考
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
きのこの教科書 観察と種同定の入門(山と渓谷社 佐久間大輔著)
たのしい自然観察きのこ博士入門(全国農村教育協会 根田仁著)
身近な菌類の観察(神奈川県立生命の星・地球博物館 出川洋介編)
キノコと地衣類?菌類って不思議!?(栃木県立自然博物館)
日本地下生菌研究会会報 アーバスキュラー菌根菌胞子果を食べるコガネムシの発見とその生態(日暮卓志・棚橋薫彦著)
製作協力/DogaLABO
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