油山市民の森からのお知らせ

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2020/10/30 きのこ豆知識
特別編 ユウレイタケ(幽霊茸)


■本当の名前は…
ユウレイタケと聞くと、きのこのようなイメージがありますが…これは本来使われている名前ではありません。人によっては、この名前で呼ぶこともありますが、本当の名前は「ギンリョウソウ(銀竜草)」という光合成をやめた、全身真っ白の植物なのです。

■別名
ユウレイタケ、ユウレイソウ、中国名では水晶蘭と言われているようです。
時期
早春から初夏(福岡県内では、4月頃から7月頃までみることができます。)
生える環境
シイ・カシ林内、コナラ林、その他湿り気のある広葉樹林、針葉樹林内などの地上から生えてきます。
特徴
古くなったり乾いたりすると、黒くなり目立たなくなります。葉っぱは鱗片状で葉緑素はなくて真っ白です。
花は一本づつ地上に生え、がくは1から3個で楕円形、花弁は3から5個で肉質。基部はやや胞状にふくれて内面に白い毛が生えています。雄ずいは10個で直立し、花糸には通常、毛があり、葯(やく)は横に裂け細凸起があります。子房は卵型で柱頭は太く液果です。

↑ベニタケ科のきのこの菌糸から栄養を奪っています。(ちなみに、写真のベニタケの仲間はたまたま出てきているものなのでギンリョウソウと関係があるのかは不明です)
↑根元は、茶色でサンゴのように凸凹した突起があります。

↑真っ白い花は、時に株のように生えることもあります。
↑液果(えきか)
さまざまな昆虫たちが、実を食べて種子を運んでいるといわれています。

↑ギンリョウソウの色違い
ギンリョウソウを注意深く見てみると、たまに紅色や青色などの色違いを見つけることがあります。この色違いの原因はまだわかっていません。
■『腐生』という名の誤解
「腐生植物」は長い間誤解があったとされています。
「腐生」とは、動物の死体や排出物を栄養としている生き物のことを指しています。しかし、ギンリョウソウやツチアケビ、タシロランなどの植物たちは、「菌類」から栄養をとっていることが分かってきました。そのため、最近では「腐生植物」ではなく「菌従属栄養植物(きんじゅうぞくえいようしょくぶつ)」あるいは「菌寄生植物」と呼ばれるようになってきています。
菌従属栄養植物(菌寄生植物)とは

その名前の通りになってしまいますが、菌類には栄養源となるものはなにも供給せず、一方的に菌類から栄養を奪って生育する植物の事を指しています。
そのため、普通の植物に比べるとみられる機会はすくないですが、植物の姿形は奇妙なものが多く、白や青色、赤色など、様々な彩がある生きものです。
現在知られているものは…
●ラン科
●ホンゴウソウ科
●ヒナノシャクジョウ科
●ツツジ科
●リンドウ科
など様々な種類が見つかっています。

ギンリョウソウのそっくりさん
ギンリョウソウによく似た生きもので、「ギンリョウソウモドキ」(アキノギンリョウソウともいう)という植物が存在します。一見すると違いが分かりにくく、そもそも「モドキ」がいることに驚きますが…このブログでは簡単に違いを書いていきたいと思います。
↑写真だけ見ると、この段階では判別が難しいです。
しかし、大きくなってくるとその違いが分かってきます。

柱頭の色に違いがあったり、花が咲き終わったあとの果実のつきかたにも違いがあります。また、発生する時期も少々ずれているようで…
●ギンリョウソウは4月から7月ごろまで
●ギンリョウソウモドキは9月から10月に花が咲いて、翌年の4月頃まで乾燥した果実がのこっていることがあります。
※資料調べと個人の調べた情報なので、お住まいの地域によっては少々情報が異なっているかもしれません。あくまでも参考程度にご覧ください。
さいごに
早春、地表からひょこっと顔をだしたその姿は小さな妖精のようで、小石よりも小さく、温かくなる景色を待ちわびているようでした。桜の花が咲き終わって同じ場所に行ってみると、その姿は空に向かって飛んでいかんばかりの竜のように、鱗をなびかせて地面に落ちたどの小石よりも高くたっていました。ギンリョウソウは植物だけれど、なんだか親近感がわくような、でも、不思議さがあるような、なんだかうまく言葉に表せれない面白い生きものなんです。
参考
<書籍>
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
森を食べる植物(岩波書店 塚谷裕一 著)
<論文>
菌従属栄養植物の菌根共生系の多様性(谷亀高広 著)
ラン科植物と菌類の共生(大和政秀 谷亀高広 著)
製作協力/DogaLABO
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