油山市民の森からのお知らせ

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2020/09/25 きのこ豆知識
クチベニタケ(口紅茸)


■時期
夏から秋にかけて(福岡県内では一年中みることができます)
■生える環境
シイ・カシなどが茂った林内の落ち葉の下、もしくは赤土や腐葉土の斜面地などに多いです。菌根菌。
■特徴
頭部は丸く灰黄土色で2センチほどの小さなきのこです。表面はかさぶたのように粗く、時間がたつとなくなってしまいます。頂部には口紅のような形の凹凸があり、口のように裂けるとそこから白い胞子がでていきます。この鮮やかな橙赤色はCalostomal(カロストマール)という特徴的な色素によるものだそうです。

偽柄(ぎへい)はあめ色で軟骨質。地面の中にしっかりと埋まっていますが、時に大雨の後などは周りの地面が洗い流されると地表にでていることもあります。これまで、生態や系統に謎の多い菌類でしたが、近年の研究によりイグチ類と近縁であることがわかりました。

↑雨によって偽柄(ぎへい)がでてきています。
↑偽柄が発達した個体。環境によって長さは異なります。

ちなみに、観察をしている最中、アリの仲間が興味深そうにクチベニタケの周りをまわっていました。胞子の塊を顎を使って噛んでいたことから、食用としても利用しているのでしょうか?それとも、たまたまなのでしょうか?不思議は絶え間なく増えていきます…。
■名前の由来
口紅をみたててこの名前が付きました。

■日本特産種
世界中で日本だけにしか見つかってい種類です。
クチベニタケは、クチベニタケ科クチベニタケ属のきのこで学名をCalostoma japonicum(ラテン語読みでカロストマヤポニクム)と言います。
※ラテン語の「J]は、「I」と発音の区別がなく日本語での「イ」と発音するため、「イアポニカ」つまり「ヤポニカ」と発音する方が近いそうです。

クチベニタケの学名を日本語で訳すと、
Calostoma「美しい口、可憐な唇」Japonicum「日本の」となります。
ちなみに、日本で知られているクチベニタケ属に所属するきのこは、他に3種類いるようです。
・クチベニタケよりもやや小型で全体的に赤みが強い「ホオベニタケ」
・唇の部分が白っぽく、球形胞子と楕円形胞子が混ざっている「ツチイチジクタケ」
・1973年6月に西表島で確認された「ナンカイクチベニタケ」
■さいごに
きのこ探しをしている最中、見慣れたきのこはいつも見つかります。クチベニタケもそんなきのこの一つでした。でも、実はそれが日本でしか見られない世界的に珍しいきのこだったなんて全く予想もしていませんでした。意外と、他にも見慣れ過ぎて見向きもしていなかったきのこが実は新種だったりするかもしれませんね。
■参考
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
標準原色図鑑全集14菌類(保育社 今関六也・本郷次雄・椿啓介 著)
原色・原寸世界きのこ大図鑑(ピーター・ロバーツ シェリー・エヴァンズ 著/斉藤史 訳)
製作協力/DogaLABO
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